園部の外構
外構計画: | 3411 STUDIO |
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植栽 : | Rat Garden 大西清悟(選定アドバイス+施工) |
計画地 : | 和歌山市、日本 |
主要用途: | 家族葬会館 |
敷地面積: | 713.69m2 |
建築面積: | 208.23m2 |
階数 : | 1階 |
構造 : | 木造 |
設計期間: | 2021.03~2021.04 |
工事期間: | 2021.05~2021.06 |
和歌山市内における移動のほとんどは自動車に頼っている状況であり、
特に地方都市の大半の商業施設において、駐車台数の確保は計画を考える上で重要である。
本計画対象の家族葬会館についても例外ではなく、車椅子使用者用駐車区画を含めると18台の駐車が可能である。
市内住みの身内だけで葬儀を行うこともあるだろうし、隣人や会社関係者等の出席もあり、ある程度の人数で行う葬儀もある。
そういった大小様々な規模にも対応できる会館は、会館選定のアドバンテージを得る。
敷地形状や建物の規模、駐車台数の確保等を鑑みると、
建物の配置は、既存の通り全面道路から一番離れた位置に計画することが商業上適切であろう。
ただ今回の敷地形状と規模を考えたときに、
駐車台数確保によって計画された奥行き25m程の駐車場は、
商業的な目線においても建物の存在が認知されにくい原因にもなっており、
街と建物の関係に分断が起きていることは明らかであった。
従って本計画においては、
どのように街と建物を接続させるかに注力された。
具体的な方法として採用したのが、駐車区画を一部植栽区画に変更する案だ。
区画の変更は最小限に留めて2区画とし、
植栽区画の配置においては、間口が狭く奥行きのある敷地形状から千鳥配置が有効だと考えた。
建物際の植栽区画は、既存区画を拡張することで新規区画とのバランスを取る。
建物については植栽の緑が映えるよう、
既存外壁仕上げである黒サイディングの上にライトグレー色のジョリパットを吹付け、
建物出入り口の両開き戸をアルミ框ガラス戸からタモ無垢板貼りに変更した。
千鳥で配置された植栽は、街から建物、建物から街へと接続していく。
夜中では、植栽区画ごとにライトアップがなされることで街灯に接続し、
同時に色温度の設定(暖色系)により、その場に安心感も与えられたと考える。
植栽とは、単に建物を飾りたてる行為ではなく、
街と建物との境界を緩やかにつなぎ合わせるための1つの手法だったのだ。
そういった植栽の可能性に、我々は価値を見出しているのではないだろうか。
植栽選定については、
Rat Gardenの大西清悟氏に協力をお願いし、
高木の選定と植物の組み合わせに関するアドバイスをいただいた。